人気ブログランキング | 話題のタグを見る

くろいしの日記 by しまか

kuroishino.exblog.jp

ひと塩の話。

ひと塩の話。_d0094481_17004638.jpg

ひと塩した秋鮭

ひと塩の話。_d0094481_17004898.jpg

当店で割いている宮古港の穴子

ひと塩の話。_d0094481_17005079.jpg

自家製「さば」みりん漬け

ひと塩の話。_d0094481_17005248.jpg

同じ鯖をひと塩に。

今日は写真から始まる「くろいしの日記」です皆様コンニチワ。

以前より店頭では「ひと塩」が
どのような状態であるかを口頭で
説明したり、説明文を掲示板に
貼ったりしていますが、ブログで
書いたことがあったかしら?と思い、
今日は「ひと塩」のお話を。

よく「この鮭は塩辛い?」とか
「生なの?」とか聞かれまして、
例えば「ひと塩ですよ。」、
「塩ふりましたよ。」とお答えすると
かなりの高確率で誤解されます。

それは「塩の馴染みかた」と「塩加減」が同じことだという誤った認識が
浸透しているからだとおもいます。

ここで鮭の状態を野菜を例にして
説明してみましょう。

「生」・・・塩をしていない状態
これは海から水揚げしただけの鮮魚ですね。
野菜なら畑から採っただけの生鮮野菜。

「塩鮭」・・・塩漬けされたもの
内臓などの下処理をして塩蔵加工した
加工品です。
野菜で言えば「漬物」ですね。
私達は「身を殺す」と言います。
生命力を失うまで塩を浸透させた
状態を言い、ここが「熟成」と
「腐敗」の別れ道です。
適切に身を殺せば熟成や発酵の下処理
となり、身を生かしたまま放置すると
腐敗になると思って頂けば良いかもしれません。

しかし!ここでも誤解が生じます。
「じゃあ、生は日持ちしないのね」と。
それこそが「生命力」です。
本来、水揚げしたばかりの魚介類は
適切な管理をすれば2~3日で悪くなる
ものではありません。
野菜も加工していないものが2~3日で
腐ったら「腐るの早い!」って
思いますよね。

腐敗へ導くか、熟成へ導くかは
鮮度管理の方法と処理で大きく
変わり、それが一般的な鮮度へと
つながるわけです。

「ひと塩」・・・生のものにサッと
塩をふっただけの状態
野菜で言えば、コールスローを作る
時に軽く塩をふると野菜がクタっと
した感じです。浅漬けみたいなもの。
どちらも野菜の生の味は残っている
のを感じられますよね。
浅漬けに非常に似ているのが、
シメサバやなめろうです。
また、お肉で言えば生肉に軽く塩を
ふったもの(ひと塩)とハム(塩蔵加工
したもの)では、同じ豚でも同じソテー
でも味は全く異なるのと一緒です。
塩加減、味の加減は別物であることが
お分かりいただけたでしょうか。

魚になると途端に皆さん難しく
考えがちですが、肉や野菜と同じように
考えていただければ料理の幅も
広がりますし、食材を無駄にする
ことも少なくなると思いますよ♪

今日は話が長くなってしまいましたが
少しは商品選びの参考になれば幸いです。

ではでは、こんな時間となりましたが、
皆様のご来店をお待ちしてます。
by shimaka-info | 2017-09-21 15:27 | 魚の話 | Trackback | Comments(0)